音ゲー界隈は、結構厳しいところです。リザルトが良いものであればツイッターで投稿した時に伸びやすくなるし、そうでない場合はコミュニティーが出来てないといいねすらなかなかもらうのも一苦労です。
せっかく頑張ったのに、全然周りが見てもらえない―。大半の人は一度は通ったのではないのでしょうか。
大抵の人は「他で活躍出来てるしいいや」とそんな現実を受け入れますが、中には考えすぎてメンタルがやられてしまったり、ひどいと他人を攻撃するようになるケースも出てきます。
また、逆もあるでしょう。いいリザルトが連発したり周りからチヤホヤされるがあまりに調子に乗ってしまい、イキってしまったが故に叩かれる―そんな例もあったりします。
自分はこの2つの現象を「承認欲求の暴走」という点で捉えられると思います。要は「俺を見てくれー」と必死になってしまうことですね。*1音ゲーというジャンルのメイン層は10代~20代で、人によっては承認欲求の管理がうまくいかず(かく言う自分もその1人でした)、他のゲームジャンルより騒動が目立つことが多いなという印象があります。
今回は、そんな音ゲーにおいて承認欲求を得るのは難しいことと、キチンと承認欲求(または、それに近いもの)を得るために必要なことを書いていきます。
前置きが長くなりましたが、最後までお付き合いいただければ幸いです。
1:音ゲーで承認欲求をこじらせやすい理由
まず、界隈の印象としては他ゲージャンルと比べて目立ちたがり屋が多いなというのがあります。まぁ自分も当てはまるわけですが…(汗)
対戦ゲーだと「相手がクソ!俺は悪くない!」と、どちらかと言えば相手を下げて相対的に自分を上げるパターンが多いのですが、音ゲーは後述の通り原則1人でやるゲームなので、必然的に「俺を見てくれ」タイプの目立ちたがり屋が多い、ということになります。
そんな状況ではありますが中々リザルトを見てもらえない―そこには音ゲーならでは要因が大きく2つあるのではないかと考えています。
(1)ゲーム内で相手と知り合いにくい
自分はこれまでゲーセンだとQMAでクイズゲー、ボンバーガールでMOBAゲーの界隈に数年いましたが、協力システムでお世話になったりやチームで共に勝利して「助かりました~!」とお礼を言い相互フォローしていました。なので「ゲームで知ったからSNSやリアルでもうちょっとその人のことを知りたい」とゲーム→リアルの順で交流することが多かったです。
一方の音ゲーは振り返ると、オフ会やイベントを通してリアルで知ってからゲームでお付き合い…と、リアル→ゲームの順で交流することが多かったです。と言うのも、音ゲーは基本的に1人でやるゲームですから、何かしらのきっかけが無い限りは交流がないんですよね。*2SNS等で何かしらの活動をしない限りは、少なくとも自然と交流の輪が増えることは多くないと思います。
なので、まず地盤となる「認めてもらう/見てもらえる」人を作っていくこと自体が他ゲームジャンルと比べて難しいのではないかと思います。
(2)いいねのハードルが結構高い
では仲間を作れたとして、リザルト投稿をした際、普段交流している仲間からはともかく、知らない人からもいいねをもらうのはかなり大変なことです。リツイートとなると、本当にすごいものしか回りにくい。
プロセカを例に挙げると、最高難易度のAP(全ノーツパーフェクト)は人によりますが、大体100~200RTでしょう。超ランカーの超絶リザルトで1000RT超えといった感じです。10000超えはいないんじゃないかな。いて5000とかそれくらい。
また、リザルトのRTは結構ブレ幅が大きく、拡散される時はすごいのですがそうでない時は全然ありません。なので、「ちょっと出来た」くらいでは2~3いいねがいいところです。「1人でも見てくれたら~」と思いたいところですが、大抵は「もっといいねくれぇ~」となるでしょう。
そしてそんな状態がしばらく続いたらどうなるか。大体は凹みます。それか他人のめっちゃバズってるリザルトツイートに嫉妬するようになります。イラストレーターのさいとうなおき氏は、他人の伸びてるイラストが気になって自分のイラストがうまくいかない現状に対し嫉妬を抱くと述べてましたが*3、イラストをリザルトに置き換えても同じ現象は起きてると言っていいでしょう。どちらも実力社会で「うまい/うまくない」でバッサリ切られてしまうので、中々厳しいです。最悪の場合、誰かに対し攻撃するようになります。
仮に一度うまくバズったとしても、またしばらくすればいいねが欲しくなるでしょう。承認欲求は貯めることができず、しばらくすると枯渇してしまうからです。*4定期的にバズらせて貯められる人間はそう多くはなく、いかにリザルトだけで承認欲求を満たし続けるのが難しいのか、想像できたのではないかと思います。
他にもありますが、大きくこの2点が主な要因ではないかと思います。
2:チームに所属しちゃうのが一番早いッスよ
以上から、まず承認欲求を管理する上で大事なのは「身近な人にいいねしてもらいやすくする」ことと言えるでしょう。知らない人の1いいねよりは、知ってる人から1いいね貰えた方が嬉しいんじゃないかなと思います。
となってくると、仲間を作るためのいわゆる「コミュ力」が大事になってくるのですが、最初のうちは「Twitterで相互フォローしたけどどう絡めばいいかワカラン…」になる確率が高いでしょう。かと言って変に絡んで滑ると変人に思われるのもなぁ…葛藤です。
というわけで、まずやるべきことは「チーム・グループ探し」です。同じ趣味を持った人間が集まって喋るところを探しましょう。
コミュ力を鍛えるなら、ネットなら大規模集団より10~20人程度の小規模グループから始めるのが一番です。少なすぎず、多すぎない範囲で人と話していき、違和感があれば修正しつつ少しずつ周りと上手くやっていけるようにする……続けていけばグループ内で認められるようになりますし、Twitterで新しく人を探す際も上手く立ち回れるようになるかと思います。一石二鳥です。
もちろん大規模鯖でも、少しずつ書き込むことで認知される機会は増えていきます。(その分ステップアップが大変ですが)
募集場所を探すなら、今ならTwitterとLINEのオープンチャットが狙い目です。それぞれの特徴として、
・DiscordからLINEグループまで様々な形態で募集されている
・ガチめのグループもあるので、切磋琢磨したい人にとって引っかかりやすい場所が見つかりやすい
・検索方法にクセがある場合もあるので粘り強くやる必要がある
○LINEのオープンチャット
・本名とは別のネームで参加することが可能、気軽に参加できる
・ライト層が多めで、とにかく会話したい場合はオススメ
・人数が多すぎる場合、個々のコミュニケーションは希薄になるので注意
が挙げられます。カジュアル寄りならLINEのOC、ガチ寄りならTwitter、でいいでしょう。ちなみにプロセカならかなり数はあるので、選べる余地はありますね。(逆に言うとDDRやギタドラと言ったコミュニティはあまりないので、探すのに手間がかかるかと思います)
一応探すにあたって、ある程度「グループの方針」を確認しておくと良いです。例えば初心者が上級者グループに入ったとして*5、全然話についていけずフェードアウトしてしまうだとか、結構ありますので気を付けておくといいでしょう。逆もまた然りです。
グループに入ってくる人たちですから、大体の人は結構フレンドリーだったりします。怖がらずに、勇気をもって話してみましょう。歓迎してくれるはずですよ。*6
そこで話し続ければ、数か月とそれなりに期間はかかりますが少しはコミュ力も付くんじゃないかなと思います。そしたらTwitterで適度に絡んでみたり、色々やってみましょう。コネクションは質もそうですが量も大事ですので、色んな人と繋がっておくことをオススメします。*7
こうやってステップアップしていけば、自然とコミュ力は付くかなと自分は考えています。
(ここで「打算的な付き合いはイヤだ」とか言ってるそこのあなた、ほぼ純粋な出会いなんてマンガくらいなものなので、最初は「この人と付き合えたらいいこと起こりそうかな」から始めてみてはいかがでしょうか?)
まぁ一応補足ですが、もしグループに入っては脱退…を繰り返している場合は、本人に問題があるケースがあります。友達に訊いてみるなど、原因を調べてみるといいでしょう。案外変な事やってることもあるので、改善していくことが一番です。その際「聞く耳」を持っていればいいのですが、ないとなると……本当に大変になります。
2.5:自分で承認欲求の暴走に気付けるといいけど
ちなみに自分自身で承認欲求が爆発しそうだとか気付けるのか、何か訓練が必要かについても少しだけ書いておこうと思います。
自分自身の体験を経てですが、「最初のうちはほぼ不可能」と思っていいでしょう。絶対どこかでやらかします。
理由は、精神科医の熊代亨先生によれば「若者の(承認欲求)レベルが低いのは当たり前」だからです。「安易に自分自身を特別だと思いたがる心理」をやらかすことで試行錯誤を得て、「社会的にちょうど良い振る舞いを身に付けていく」と述べられています。*8つまり承認欲求周りの失敗は「やらかしてナンボ」の事なのです。
ただ、インターネットでは「やらかし」をするとデジタルタトゥーなど「消えない前科」として残ってしまうケースもあり、なかなか無茶は出来ないものです。
一応対策はありまして、「他人に迷惑をかけない」を心がけることが一番でしょう。もしやってしまったらすぐ謝罪する。そして「何でやらかしたんだろう」と自分なりにでも分析して、次やらかさないように意識する。これだけでも全然違います。
ただ、あまり溜めすぎると自分自身で爆発するパターンがあります。(自分はそんな事が1回ありました)結構キツいので、定期的にうまく吐けるといいでしょう。
3:おわりに―それでも承認欲求モンスターは常に暴れようとする
以上、今回は承認欲求について、特に音ゲー関連でどうすればいいのかを書いてきました。
ここで一つ注意しておきたいことは、以上のように環境を整えても日々「承認欲求モンスター」が暴れ出す可能性があることです。「認められたい」に際限はないので、常に「認められようとヘンなことをしでかさないか」をチェックする習慣をつけとくといいでしょう。辛かったら誰かに相談してみるのも一つの手ですよ。
自分は「やべぇモンスター」を内に持ちながら、暴走させない範囲で定期的にブチまけることで解消させています。多分人よりも大分大きく育った「やべぇヤツ」なので、人よりずっと動かないと大変なことになるでしょう。*9いつも「あぁめんどくさいな」と思いながら対応しています。
以上、承認欲求を得るならさっさとグループに入って認められる環境を構築するところから始めよう、という話でした。それではみなさん、よき音ゲーライフを。
*1:いわゆる「バカッター」とかはそれの一種
*2:ちなみにいきなり親しく声かけてきたり妙にフレンドリーな人の中には宗教勧誘のケースもあるので、迂闊に対応すると大変な目に遭いやすいとか。物騒な世の中ですね…
*3:さいとうなおき「うまく描くの禁止」パイ インターナショナル、P78
*4:熊代亨「認められたい」ヴィレッジブックス、 P36
*5:まぁ基本は条件ではじかれることが多いんですけどね。仮の話
*6:てか初手で歓迎しないグループがあったら抜けるべきですね、まぁこれまで10年以上色んなコミュニティに属しましたが見たことないので無いとは思うのですが……
*7:ただし、沢山の人と付き合ってると疲れる場合は無理をしなくて大丈夫です。自分のペースで輪を広げていきましょう
*8:「認められたい」P95