今日も音ゲーTwitter界隈、とりわけプロセカTwitter界隈は元気だった――。
今日朝、トレンドに「判定強化(4200件)」とあり、多分『Project SEKAI featuring.初音ミク』こと「プロセカ」のことかなーなんのことかなーと探ってみたら、なんとまぁ地獄の窯を開けたかのようなグツグツぶりになっていた。
そんなわけで時系列を整理しつつ、問題点と今後の運営の要望を書いてキチンと整理しておきたいと思う。
面倒な方はこちらのツイートを読むといいかもしれない。
今回の判定強化関連の問題点を整理しとくぞ
— リオール (@reole123) December 5, 2022
・ななせ氏のドンファイAP
これ自体はすごい、おめでとう案件
→ただこの人は有名YouTuber主催大会で優勝経験あったりと上手い人なのは間違いなく、このレベルなら「強化無しで」APの報告をする慣習があるだけに特記せずツイートしたため裏切られた(続く)
- 0:てか判定強化ってなんだよって人向けの解説
- 1:事の経緯―すぐそうやって燃えるんだから
- 2:何が問題だったのか―当事者編
- 3:何が問題だったのか―そもそも「判定強化」という仕様ついて
- 4:今後どう扱えばいい?―運営への要望
- 追記
0:てか判定強化ってなんだよって人向けの解説
もしかしたらプロセカをやってなくて、そもそもどういうシステムか分からない人もいるかもしれないのでおさらいがてら簡単に説明しておこう。
判定強化スキルとは、「5.5秒間、BAD以上(=MISS以外)がPERFECTになり、5秒間、スコアが80%UPする(スキルlv1時)」だ。全員使ってるので最高レアの☆4の性能を書いている。まぁどうなるかと言えば「5.5秒間、ノーツの取りこぼしがなければ勝手に繋がる」ようになるのだ。
そしてこのスキルを持ってるキャラを全員(5人)連れてくれば、最大27.5秒間の恩恵がもらえるようになる。プロセカの演奏時間は平均2分ちょいだから、少なくとも全体演奏時間のうちの1~1.5割くらいは判定ガン無視してプレイすることができるようになる。
それでも8割ちょいはキチンと判定PERFECTを取らないといけないが、各日にフルコンボや全ピカことALL PERFECT(以下「AP」)の助けになるのは間違いないだろう。
最低限説明はしたので、本題に入るとしよう。
1:事の経緯―すぐそうやって燃えるんだから
まず、事の発端は11/29に呟かれた、ななせ氏によるツイートだ。
限界突破。
— ななせ🌟💫 (@Nan4seGnd) November 29, 2022
Don't Fight The Music
(Master Lv.36)
ALL PERFECT!!!!!!!!
ただただ本当に辛かったです…AP-1何回も何回も踏んで本当に心が折れかけてたけどなんとかAPまでやりきる事ができました!!!!!
夢の全虹まであと1譜面です。the EmpErroR、対戦よろしく。
#プロセカ pic.twitter.com/xlBjePuIkI
これ自体は別に素晴らしいことだし、最高難易度をAPしたのだからおめでとうの言葉以外見つからないだろう。てかホントに上手いと思います。
んで、こっからが炎上案件。
それから1週間ほど空き、5日(この記事を書いてる当日)の午前2時に、フォロー0ツイート1と明らかに捨て垢と言えるところから「ななせ氏はこんなことをしてたんだぞ!」という告発ツイートが拡散され、判定強化について炎上することとなった。
こちらのドンファイですが、Project Sekai Profileで彼がAPした直後に確認してみたら星4キャラの判定強化5枚積みで行っていました。
— :) (@QwQ_QwQ_QwQ_iwi) December 4, 2022
拡散お願いします。#拡散希望 https://t.co/VhDsQ51lp1 pic.twitter.com/Y7btGGhZlu
内容だが、捨て垢の人が、プロフィール情報やフルコン情報を全部抽出できる非公式ツールの「Project Sekai Profile」を用いて、ななせ氏のドンファイAP直後の編成を確認したのだが、それが「全員判定強化持ちキャラ」だったそうだ。
そもそも非公式ツールで同期取れてんのかとかツッコミどころはあるが、拡散後ななせ氏本人から強化を使ったという白状のツイートがあった。(現在は削除済み)
これを皮切りに、元々言いたいところのあった判定強化について一言居士のごとく持論を展開する人が増え、晴れてトレンド入りした―という、そんな感じの内容だ。まぁかく言う自分もその1人なんだが。
ちなみにその後捨て垢の本人が降臨し、こちらでも持論を展開。
皆様をお騒がせした @QwQ_QwQ_QwQ_iwi の正体は、実は私でした。ずっと判定強化が許せなかった。判定強化を積んで取ったAPをこれでもかと見せびらかし、積まずに取った人々とのうのうと肩を並べているのが許せなかった。 https://t.co/vlaOB6lt5S pic.twitter.com/wZa1HY2du3
— わたつき (@406672) December 5, 2022
気持ちは分からなくはないが、ここでは主張すべき相手はユーザーじゃないだろとだけ言っておこう。というか本人降臨するなら捨て垢の意味あったのかどうか。*1真相は本人のみぞ知る。
そんな感じで当人同士がバチバチやり合うわけでもなく、ただただ第三者が言及することで盛り上がる、そんな感じの炎上案件だった。
なんかいつも通りの音ゲー炎上案件だな
(追記:22.12.08)
お騒がせして大変申し訳ございませんでした。
— ななせ🌟💫 (@Nan4seGnd) December 8, 2022
Don't Fight The Music (Master Lv.36)
(判定強化無し)
ALL PERFECT. pic.twitter.com/Q7lj5F1abi
わずか3日の出来事である。恐ろしいっすね執念も実力も粘り強さも。
改めておめでとうございます。
2:何が問題だったのか―当事者編
さてここからは色々と考察していきたいが、まずは判定強化自体の論議は一旦棚に置いて、当事者間の問題点から整理したいと思う。
(1)わたつき氏の問題点
まず思うのは、「主張は分かるが手段が間違ってる」ことだ。判定強化について以前から上級者間でも疑問視されていて何かしらの対応はすべきという空気はあり、運営が特に何もしなかったから何かしらのアクションを取りたかったのだろう。
だが、それはゲームデザインをした運営元のカラフルパレットに言うべき問題であって、1ユーザーに批判するという形で取るべきではない。
また、同氏はドンファイAP当日に張ってたかのごとくななせ氏のツイートをチェックしていたが、あくまで一般的な感覚だが「もはやファンでしょ」と言わんばかりの行動でビビるのが普通だろう。張ってなければここまでリアルタイムで告発動画が作れないからだ。そんなことをするくらいなら運営に対し少しでも声を上げた方が良かったのではないだろうかと自分は思う。
(2)ななせ氏の問題点
一方で、ななせ氏はプロセカでは有名なYouTuberのほわいと氏主催による大会で優勝を経験するなど、「上級者」と言われるにふさわしい実力を持っている。
となってくると、音ゲーにおいて不文律とされる「音ゲーマーなら正々堂々と闘う」が付いて回って来るのも仕方ないと思う。*2
後でまた説明するが、ゲーム内なら正統手段であっても、ゲーム外のプロセカコミュニティ(大小問わず)では「判定強化を使わずして高難易度をFC/APする」というルールが適用されるから、当然ななせ氏も「判定強化を使わずにAPした」と期待されるのだ。
だが、当該ツイートには「判定強化を使った」と書かれておらず、暴露されたことで裏切られたと感じるのも無理はないと思う。*3それでも大半の判定強化がない部分もAPで通してるからすごいんだけどね。
色々書いたが、要は「不文律のタブーに引っかかった」ということだ。今回の件で言語化出たのは良かったのだが、逆にこういう件じゃないと浮かび上がらなかったなとも思う。
以上2点、両者の問題点を整理してみたが、わたつき氏の方は主張の方法が、ななせ氏はタブーに抵触してしまったのが問題じゃないか、で〆ようと思う。これについてはこれ以上膨らまないので終わりにしよう。
あと、わたつき氏のツイートにリプライしては「お前が出来ないから~」とか言ってる人もいたが、あくまで行動を非難すべきであって人格を非難するのはお門違いとだけ書いておこう。
3:何が問題だったのか―そもそも「判定強化」という仕様ついて
さて、ここからは判定強化を使ったFC・APについて、「プロセカ」というゲーム内での枠組みで話していきたいと思う。
まず「判定強化」という存在そのものについて、結論から言えば自分は「『プロセカ』というゲームが認めたんだから仕様としてはアリだ」という立場だ。プロセカでは、サッカーで喩えるなら「他のローカルルール(=音ゲー)じゃダメだけど、ウチのところは3秒くらいなら手で持って動いてもいいよ」と言ってくれてるのだから、ありがたく使わないのはもったいないの一言に尽きる。
だが、判定強化という仕様による弊害が発生しており、その点については改善すべきじゃないかと考えている。ゲーム内と、ユーザー間と、2つの視点から話していきたい。
(1)ゲーム内―あのキャラが使えない問題
プロセカにはイベランがほぼ恒常的に開催されており、排出されるキャラの中には「判定強化」をもったキャラクターがいることもある。イベランの仕様上、キチンと走るのであれば(報酬のために走りを少しでもラクにしたい場合でも)そのキャラクターを入れるのは必須になってくる。となると、特にシングルプレイにおいては判定強化とは絶対に切れない関係になって来る。
それを抜きにしても、キャラクターデザインが好きで使いたいのが出てくるパターンもあるだろう。
となると、「判定強化なしでプレイしたい」層にとってはこれがものすごく邪魔に感じてくる。かと言ってせっかく手に入れたキャラを腐らせるのはバカバカしい。そんなジレンマを抱えながらプレーすることになる。
ましてやプレイヤーの顔になるリーダー指定にするのはスキルが発動するから論外だ。好きなキャラでプレイしたいのに、スキルのせいで泣く泣く違うキャラにせざるを得ない。
こんな感じで「使いたいのに使えないキャラ」が、プレイヤー実力によっては発生してしまっているのは問題ではないだろうか。もちろん大半の人にとっては些細な事案かもしれないが、少なくとも他のプロセカプレイヤーとも話していても上がるから、問題の一つとして存在していると言って間違いないと思う。
(2)ユーザー面ー「それ、判定強化付きAPなん?」
誰かが言っていたが、「判定強化なしでやるのはいわば『縛りプレー』の一環だ」と表現していた。他のゲームでは通常プレーであっても、プロセカではそれが「縛りプレー」に該当する。
他の音ゲー視線では「『プロセカ』というゲームは、判定そのものをいじれる*4システムがあり、それがスコアデータとして残る」という異様なモノに見えるのだ。
たとえプロセカのみでやっていても、大会の仕様やランクマッチの仕様を見るに「ガチで闘いたい時は判定強化は使わないものだ」と察するのは難しくないだろう。
だからある程度出来る人から見れば「判定強化使うのおかしくね?」と感じるのはある意味では正しいと言える。
なんか面倒なことになってきたがここまでをまとめると、判定強化を使ってのFC/APは「ゲームとしては正しいんだけどゲーム外としては正しくない」と言う事態がおこっているのだ。
普通にゲームだけをやってたら「やったーAPだ嬉しい!」と喜べても、プロセカのコミュニティーで話したらレベル次第では「判定強化入れてんじゃん?そんなんで喜べるの??」と言われる始末となる。判定強化はリザルト報告において「邪魔者」扱いされるのだ。もし意図的に入れたとしたら、それをキチンと報告しなければならない。入れずに黙ってバレた場合、先の不文律を破ったとして非難される。
だから、自然と判定強化の立場が狭くなってくる。
ひとまず2つの視点から取り上げたが、いずれにしても「邪魔だなぁこのスキル」と思える瞬間が出てくることを見てきた。それが今回の件で、今まで溜まったフラストレーションが各々の表現で出てきたのはないかと思う。判定強化という仕様は別に問題ないのだが、それを際に邪魔になる場面が出てくるのだ。「上級者のニーズに応えられていない」とまとめてもいいだろう。
じゃあこれを改善するにはどうしたらいいか、最後に考察して終わろうと思う。
4:今後どう扱えばいい?―運営への要望
(1)「判定強化つきFC」「判定強化つきAP」というランプを作成する
ツイッターで案として見かけたのはこれで、これなら分かりやすいのは確かだ。
だが、「ぶっちゃけ過去のランプどうすんの?」という問題がある。
プロセカというゲームは(内面上はともかく)少なくとも外面は「クリア/FC/AP」というランプと、獲得スコアのみしか掲載されていない。だから、「このチームでスコアを取った」というデータがある可能性は低いし、仮にあったとしたら膨大すぎるデータで管理が大変というのは想像に難くない。
じゃあ「過去の分は分からないので全部判定強化なしFC/APにします」と一律対応しても、後続のプレイヤーが不利を被るのは確実だ。そんなことをしたら炎上案件待ったなしだろう。
以上からこの案の実現は難しいと思う。
(ちなみにこの案を出した人に対し私は「そんなわざわざ烙印みたいなことをやらなくても」って言ったが、ぶっちゃけ判定強化を使ってFC/APをしたことを認識しているのは本人だろう。わざわざゲーム上で教える必要はないんじゃないかと思った。)
(2)オプションで「判定強化」「回復」のスキル発動設定ON/OFFを実装する
私が提唱したいのはこちらだ。もし使いたければオンにすればいいし、使いたくなければオフにする。スコアについては使わないという選択肢がないからそのままでいいだろう。
そうすればたとえ野良マルチで判定強化付きリーダーの人がいても問題ない。自分だけナシで相手だけ適用だから、特に不満が起こるわけではない。強いて言うなら、ひどいリザルトを出した時にファンメから「判定強化オフにしたろふざけんな」とお気持ちメールが来ることだろうけど、そんなのは稀ってことで流していいだろう。
そんな感じで、ご意見番を出したところでこの記事は終わりにする。
ある意味「音ゲーのタブー」が一つ言語化されたという点ではこの炎上案件は意義はあるなと思いつつ、今後もこんな感じで解説いきたいと思う。
追記
せっかくなので「Project Sekai Profile」を使ってみた。個人データの管理としてはいいね。(他人のヲチには使いたくないけど…)
現在こんな感じでプロセカをのんびりやってます。
まぁランクマなりどっかで見かけたらぜひツイッターでつぶやいてくれると嬉しいです。